当院の感染防止対策について

なかなか新型コロナ感染症の終息が見通せない中、遅ればせながら当院外来の感染対策をお示ししたいと思います。

1)夏冬問わず、基本的に出入り口の自動ドアは常時開放しています。

自動ドアは常時開放
換気のため扉を開放

今の時期、虫の侵入予防の為、屋外用虫よけを入り口に設置しています。

虫よけを入り口に設置

2)受付での患者様の体温測定及びアルコール消毒

体温測定及びアルコール消毒

手を入れると、手首の体温を測定しアルコールを噴霧する優れものです。

3)受付にシールド設置

受付にシールド設置

4)待合や検査室に、空気清浄器及びサーキュレーター設置

受付に空気清浄器及びサーキュレーター設置
待合に空気清浄器及びサーキュレーター設置
診察室、視野検査室も含め、各部屋に、サーキュレーターや空気清浄機を設置

診察室、視野検査室も含め、各部屋に設置しています。

5)検査室壁面ガラス上部に換気扇設置(2箇所)

換気扇設置
換気扇拡大図

空気の清浄だけでなく、極力外気との入れ替えをしています。

6)診察用の細隙灯顕微鏡には、医師と患者様の間にシールドを装着、また検査機器のあご台等を患者さんごとに清拭しています

医師と患者様の間にシールドを装着
検査機器のあご台等は患者さんごとに清拭

7)CO2メーターにより換気状況の確認

CO2メーター

もちろんスタッフは毎日各自検温し、アルコールによる手指消毒、不織布マスク着用、ワクチン接種の上勤務していますので、安心してご来院下さい。

新しい緑内障手術:iStent手術の当院での成績

2/1の土曜日午後に大阪眼科集談会という地方学会で発表してきました。

演題は、「当院での水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術(iStent手術)施行症例術後3ヶ月の成績」です。なかなかいかめしい題名ですが、前にもこのブログで少しお話しをした、極低侵襲緑内障手術(Micro-invasive Glaucoma Surgery:MIGS)であるiStent®手術の結果の話です。

iStent手術の復習しますと、緑内障がある患者様の白内障手術の時に、小さいステント(管)を隅角に刺して、眼内の水(房水)が眼の外に流れやすくすることにより眼圧を下げるという手術です。

本来は昨年の10月に発表する予定でしたが、大阪に暴風警報が出ていた為、中止となりその後症例数を増やして集計し直しての発表でした。
対象は当院でiStent手術施行し、術後3ヶ月以上経過をみることの出来た症例32眼です。

緑内障に関する結果を簡単にまとめますと

●眼圧について。
 術前平均眼圧16.8mmHgが、術3ヶ月後に15.1mmHgと有意に下降しました(眼圧下降率10%)。

●緑内障点眼薬の数は。
 術前平均2.2剤が、術3ヶ月後に0.3剤と有意に減少しました。

また症例数は少ないですが、術後12ヶ月経過をみることの出来た7眼でも、
・術前平均眼圧16.3mmHgが、術12ヶ月後に15.1mmHgに下降しました。
・緑内障点眼薬数は、術前平均2.7剤が、術3ヶ月後に0.9剤と有意に減少しました。

術後早期の成績ですので、まだまだ経過を診る必要がありますが、緑内障点眼薬を減らせて、それなりの眼圧下降が得られている印象です。

白内障の手術に約5~10分の追加の手術ですので、患者様の負担も少なく、なかなか良い手術だと考えています。

もっと長期に経過を診ていき、また結果をまとめたいと思います。

講演会

少し前の話になりますが、大阪でG20を開催した6月末に講演会に呼ばれました。

城東区薬剤師会の勉強会です。「薬剤師の先生に知ってほしい緑内障のこと」という演題で約1時間講演してきました。

城東区薬剤師会は勉強熱心な会で1ヶ月に一度程度勉強会を開催されているそうです。当日も40人ほどの薬剤師さんが来られ、熱心に聴かれていました。
勉強会での発表は自分の知識のブラッシュアップになり、知識の整理に役立ちます。

iStentの認定医になりました

iStentの認定証を頂きました。

今回は昨年認可された新しい緑内障手術、水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術のお話です。

この手術は白内障手術時に、隅角という目の中の水(房水)を眼外に排出する部位に、iStentという約1mmのチタン製のパイプ(写真1,2,3)を埋め込み、房水の眼外への排出を改善し眼圧を下げる手術です(写真4,5)。
(緑内障に関しては当院HPの診療内容→緑内障の項を参照下さい。)


写真1:iStent全体像(長さ1mm)

iStent全体像(長さ1mm)


写真2:iStentの大きさ(指と比較するとその小ささがわかります)

iStentの大きさ


写真3:インサーター(先端にiStentが把持されており、隅角部に刺入後、人差し指の部分のボタンを押すとiStentがリリースされます)

インサーター


写真4:iStent手術風景(左側:隅角にiStentを刺入する直前)(右側:術後の隅角所見。iStentが隅角部に刺入され、Snorkel部を通して、房水が眼外に排出される)

iStent手術風景


写真5:iStent隅角部での房水流出のイメージ図

iStent手術風景


この手術の利点として、非常に小さい角膜切開(2.5mm)からの手術で結膜を触らない為、将来の緑内障手術追加に悪影響をおよぼさず、また日常生活への早期復帰が可能なことが挙げられます(写真6)。

写真6:手術のイメージ(耳側の角膜切開部から白内障手術を施行、その後隅角鏡で隅角を直視しながら、インサーターでiStentを隅角に刺入する)

iStent手術風景


一般的な緑内障手術に比べると眼圧下降効果は少ないですが、緑内障点眼薬数を減らすことが期待出来ます。

当院では昨年夏より講習会の参加や模擬眼での練習を経て昨秋より手術を開始し、この度iStentを使用した手術手技に習熟したとして認定証を頂きました。

現在までに7眼に挿入しましたが、全例眼圧の下降を得ており、特に合併症は認めず術後経過は良好です。ただ新しい手術ですのでもう少し経過を見極める必要があると思います。

また経過や結果を御報告したいと思います。

多焦点眼内レンズ

最近患者様から時々お問い合わせのある、白内障手術時の多焦点眼内レンズ。
今までの単焦点の眼内レンズでは、ピントを合わせる力(調節力)が失われる為、焦点が1点にしか合わず遠くと近くが両方はっきり見えるわけではありませんでした。

多焦点眼内レンズは、単焦点レンズに比べると近くにも遠くにも全体的にピントが合います。遠くも近くも全てがクッキリ見えるわけではではなく完全に眼鏡が不要というわけではありませんが、日常生活において眼鏡をできるだけ使用したくない方、スポーツや趣味の多い方に適しています。

今までも数種類の多焦点眼内レンズがありましたが、6月末にAMOという会社から新しい多焦点眼内レンズが発売されました。いろいろなデーターを見ると今までの多焦点眼内レンズより優れており、当院ではこの新しい眼内レンズを主に多焦点眼内レンズ手術を行なうこととしました。

なお多焦点眼内レンズは健康保険の対象外で自費での診療となります。
詳しくは、医師・スタッフまでお尋ね下さい。

AMOシンフォニー

器械のこと…

開業20周年を迎え、21年目に入った高木眼科クリニックです。

開業後20年も経つと器械も老朽化していきます。2年ほど前に白内障の手術器械の二度目の更新、手術用顕微鏡も入れ替え、昨年には眼内レンズの度数を決める眼軸長測定装置を光学式のものも導入しました。しかし昨年末になってまた一台の器械が寿命を迎えたので、新しい器械に入れ替えました…

当院の院内写真の欄には載っていませんが、レーザーフレアメーターというものです。別名前房蛋白測定装置といって前眼部の炎症の程度を測定する装置です。

虹彩炎などのぶどう膜炎の時に炎症の程度を測定するのですが、当院では白内障手術後の炎症を評価するのにも使用しています。

当院は患者様の目に優しい、低侵襲の白内障手術を目指しています。

開院20年記念パーティー

当院は5/8に本年開院20年を迎えました。

そこで開院以来お世話になった人たちをお迎えして、開院記念パーティーを開きました。

現スタッフやスタッフOB、代診をお願いしている先生、医療機器会社の方やクリニックの設計図を引いてもらった建築事務所の方々などたくさんの方と楽しい時間を過ごしました。

色々な方に支えられて20年を迎えられたことに改めて感謝し、またこれからも地域の方々のために頑張ろうと思いました。

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